COLUMN / コラム

MacBook Pro(M1 Max)でローカルAI「Gemma 4」を動かして実測:同時に何件まで速くなるか

宇都宮の制作会社 DIGITAL STUDIO では、クラウドのAIに加えて、自社のパソコンの中で動く「ローカルAI」を、MacとWindowsの両方で使っています。この記事は、ローカルAIを実際に計った結果をまとめる連載の1本目です。まずは、手元のMacBook Proの数字です。

なぜローカルAIを試すのか

ローカルAIは、データを社外に出さずに処理できます。名刺や会員名簿のように、外のサービスに送りたくない情報を扱うときに向いています。使った分だけかかる利用料もありません。その代わり、パソコンの性能で速さが決まります。どこまで実用になるのかは、計ってみないと分かりません。

計った環境

項目内容
パソコンMacBook Pro(Apple M1 Max、CPU 10コア、GPU 32コア)
メモリ32GB(CPUとGPUで共有)
動かすソフトOllama 0.40.3
モデルGemma 4 26B-A4B(4ビットに圧縮した版、ファイルは約17GB)
条件温度0・seed固定。文章は256トークン、名刺は最大400トークンを出力。同時処理の上限は8件

Gemma 4 は、答える前に「考える」文章を出すモデルです。そのままだと、出力の長さを決めて計ったときに、答えが空のまま考える途中で終わってしまうことがありました。今回は比べやすくするため、考える段階は切って計っています。

メモリの使い方

モデルを読み込むと、メモリを21.1GB使い、そのうち18.6GBがGPU側に載りました。最初の読み込みには約33秒かかります。

MacはCPUとGPUがメモリを共有しているので、32GBのノートパソコンでも、この大きさのモデルをGPUで動かせます。Windowsのパソコンでは、グラフィックボードのメモリ(VRAM)に収まるかどうかが大きな分かれ目になります。この違いは、次の記事で比べます。

文章の生成:同時に流すと、全体では速くなる

同時に流した件数と全体の速さ(MacBook Pro M1 Max・Gemma 4)

同じ依頼文を、1件ずつと、同時に2・4・8件流しました。2回計り、両方の数字を載せています。

同時に流した件数全体の速さ(トークン/秒)1件あたりの速さ全部終わるまで
1件37.4 / 30.938.1 / 31.46.8秒 / 8.3秒
2件40.3 / 38.921.1 / 20.212.7秒 / 13.2秒
4件52.6 / 51.513.7 / 13.419.5秒 / 19.9秒
8件51.9 / 55.86.8 / 7.339.5秒 / 36.7秒

1件ずつ流すと、1秒に30〜38トークンほど。日本語なら、読むのに困らない速さです。同時に4件流すと、1件あたりは遅くなりますが、全体の量は1.4〜1.7倍ほどに増えました。8件にしても、4件のときとほとんど変わりません。このMacでは、4件くらいが頭打ちのようです。

名刺の読み取り:同時に流すと、かえって遅くなる

DIGITAL STUDIOの名刺の写真を読ませ、会社名・氏名・住所・電話などを項目ごとに取り出させました。結果は、会社名、氏名、郵便番号、住所、電話、FAX、メール、URLまで、名刺のとおりに読めていました。

同時に流した件数全体の速さ(トークン/秒)全部終わるまで1枚あたり
1件30.2 / 29.55.1秒 / 5.2秒約5秒
2件21.4 / 19.914.4秒 / 15.5秒約7〜8秒
4件21.4 / 20.528.8秒 / 30.1秒約7〜8秒
8件19.9 / 19.761.9秒 / 62.4秒約8秒

文章とは逆に、画像は同時に流すと全体が遅くなりました。1枚ずつ読めば約5秒ですが、8枚同時だと1枚あたり約8秒です。画像を読むときは、最初に画像を読み込む処理が重く、同時に流すとその処理がぶつかり合うためだと考えています。

もうひとつ、1回目の計測では、最初の1枚の画像の読み込みに6.3秒かかり、2回目は0.3秒でした。同じ画像は、2回目から読み込みが速くなります。

このMacでの使い分け

  • **文章の生成(下書き、要約、分類など)**:同時に4件くらいまで流すと、全体の処理量が増える
  • **画像の読み取り(名刺、書類など)**:1枚ずつ順番に流すほうが速い。100枚なら、約5秒×100枚で8〜9分ほどの見込み
  • **最初の読み込み**:約33秒かかるので、使うたびに読み込み直さない運用にする

つぎの記事

次は、同じモデル・同じ条件でWindowsのパソコン(NVIDIAのグラフィックボード)を計り、Macとの違いを比べます。画像や動画の生成でも、MacとWindowsで同じように計る予定です。

計測に使ったスクリプトの条件(温度0、seed固定、出力の長さ固定)は、この記事のとおりです。ローカルAIを社内の仕事に取り入れたい方は、DIGITAL STUDIO までご相談ください。

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